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(エリザベスの肖像が刻まれたHalfgraet銀貨/レプリカ/ランカシャーchard社所蔵)
 

 英国16世紀の貨幣の基本は、ペンスまたはペニーpence/pennyと、その上のシリングshillingとポンドpoundである。
 時代によって単位も変わるし、十進法でないところが複雑であるが、基本がペンスとポンドである点だけは数世紀に渡って変化がなかった   6ペンス銀貨の始まりは1551年少年王が薔薇を持った肖像入りのコインが最初であった。
 1554年、メアリー1世の代でも鋳造されている。
 これをベースにして、16世紀独特の単位貨幣があった。

1 シリングshillingは、ヘンリー7世の時代1502年に鋳造されたのが最初だが、一般的に普及したのはエドワード6世の時代であった。
 2ポンド金貨が最初に出たのはヘンリー7世が即位して間もない1485年の事である。
 エドワード6世もまた1553年に鋳造しているが、現存しているものは非常に希であるという。
 また、ペンスにはグロットGroatという単位があった。

 1グロット銀貨=4ペンス
 ハーフグロット銀貨=2ペンス銀貨


 ヘンリー8世は、度重なる戦争の費用捻出のために、本来純度の高い銀で作られるべき銀貨を「銀で銅をメッキした貨幣」に変えてしまった。
 1544~46年まで製造され流通した「銀メッキ貨幣」は質が悪く、表面が摩耗して中の銅が出てくる事も珍しくなく、表面にヘンリー8世の肖像が刻まれていたため、鼻の部分に茶色い銅が見えたという理由から
 「Old Coppernose(古い木製人形の鼻)」
というあだ名がついたという。
英国では1971年まで、非常に煩雑な貨幣単位があったが、71年に改正され、現在ではペンスとポンドのみである。

 

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